世界初!オーロラ3D、全天周立体オーロラ映像をドームで体験しよう!
物知りなローラちゃん、オーロラ博士を目指しているスプライトくん、観測が得意なピーアイ2の3人の会話を通して、オーロラの基礎を学んでいくコーナー
オーロラは空のどこで、何が光ってるの?
よし、じゃあ最初の質問。オーロラは何が光ってるの?
高いところにある酸素や窒素が光っているんだよ。
オーロラの緑と赤は酸素原子の光、ピンク色は窒素分子の光として知られています。
酸素が光っているのに緑と赤の2色あるのはなぜ?
オーロラは発光する高さで色が違うんだよ。赤いオーロラのほうが、緑のオーロラよりも高度が高いところで光っているんだ。
では、ここでクイズだよ。オーロラはどこで光ってるでしょうか?1.雲の少し上、2.スペースシャトルと同じくらい、3.月と同じくらい。
うーん、けっこう近くに見えるんだけど遠いのかな。じゃあ、1。
オーロラの高さを測ってみて! ピーアイ2!
ピピッ! あのオーロラは100〜400キロメートル先です。
スペースシャトルは高度400キロメートルにあるから答えは2番だね。
そう。オーロラは宇宙で光っているんだね!
※ 大気が十分に薄くなり、宇宙と接し始める高度100kmよりも高い場所で、オーロラは発光しています。この高度では、宇宙から大気に降り注ぐ電子が大気の原子や分子と衝突して、その原子や分子特有の色を発光させます。緑のオーロラはキロエレクトロンボルト程度のエネルギーの電子で光っていますが、それよりもエネルギーの高い電子は80km程度の大気の深いところまで侵入して窒素分子と衝突してピンク色を発光させ、それよりもエネルギーの低い電子は高度300-400kmまでしか侵入できず、酸素原子と衝突して赤い光を発光させます。
オーロラが光る仕組みって?
じゃあ、次にオーロラが光る仕組みを勉強してみよう。
オーロラを光らせるには、太陽から吹いてくる太陽風と磁気バリアが必要なんだよ。磁気バリアに太陽風が吹きつけると、磁気バリアに沿って強い電流が流れるの。この電流を担う電子が、上空の薄い大気に当たってオーロラが光っているよ。
では、クイズだよ。太陽風のスピードはどれくらいでしょうか。1.新幹線と同じくらい、2.新幹線の100倍くらい、3.新幹線の1000倍以上
う〜ん。2かな。太陽風のスピードを測ってみて! ピーアイ2!
ピピッ! 太陽風のスピード情報を受信しました。400キロメートル毎秒です。
ざっと新幹線の4000倍くらいだから答えは3番だね。
オーロラを光らせる電気を帯びた粒子の温度
地球の磁場の中には「バンアレン帯」があるって聞いたことがあるんだけど、オーロラと関係あるのかな?
よく知っているね。バンアレン帯とは、地球の磁場にとらえられた陽子、電子からなる放射線帯のことをいうんだ。磁気バリアは、電気を帯びた粒子を閉じ込める性質があって、バンアレン帯にはエネルギーの高い粒子が閉じ込められているよ。
じゃあ、バンアレン帯の粒子が、オーロラを光らせているのかな?
バンアレン帯の電子はメガエレクトロンボルトだから、オーロラを光らせる電子の1000倍もエネルギーが高いんだよ。
太陽風の粒子が電気を帯びているから、地球の磁気バリアに引きよせられているの?
いいところに気づいたね。太陽風の粒子は、磁気バリアで完全に跳ね返されるわけではなくて、地球の磁気バリアの中に少しだけ入ってきて閉じ込められるんだ。電気を帯びた粒子が磁気バリアの中で複雑に動くことで、オーロラの電子や、バンアレン帯の電子が出来ているんだよ。
ピーアイ2、オーロラとバンアレン帯の位置をおしえて。
ピピッ(ググりました)。オーロラは緯度65〜70度という高緯度地域の現象ですが、バンアレン帯はオーロラよりも低い緯度の現象として知られています。
※ 太陽からは、太陽風と呼ばれる100万度以上のプラズマの風が秒速400km以上という猛スピードで地球に吹きつけていますが、直接地表に吹きつけることはありません。これは地磁気バリアが地球の上空にあり、防いでいるためです。地磁気バリアが太陽風を防ぐときには、大量の電流が発生しています。その電流は地磁気バリアに沿って北極と南極のほうに円形状に集まっていて、それでオーロラが北極や南極で緑の円形上になって光っているのです。地磁気バリアは太陽風から防ぐという機能がある一方で、エネルギーの高い粒子を閉じ込めてしまうという機能もあります。紫の領域の内側にはエネルギーの高い粒子が閉じ込められていてバンアレン帯と呼ばれています。