オーロラ3Dプロジェクトの目的や活動内容についてご紹介します。
オーロラは、秒単位で色も形もダイナミックに変化する現象です。しかし、その様子を立体映像で捉えた人はこれまでいませんでした。
このプロジェクトでは、放送文化基金の援助のもと、米アラスカ州フェアバンクスの屋外2地点で、高空間分解能の全天オーロラ映像を連続的に取得して、巨大ドームスクリーンに立体動画として映し出すという手順で、秒単位で変化するオーロラの全天周3D映像化に挑戦しています。
オーロラの立体形状とその色は、オーロラ発光の原因となる電子ビームのエネルギー分布を反映しています。オーロラのカラー3D映像によって、今までにない奥行き方向のオーロラの動きや色の変化などの新たな情報が得られるため、電子ビームのエネルギー分布や加速メカニズムなどがより詳しくわかるようになることが期待できます。
また、ダイナミックに変化するオーロラ映像をリアルに復元して体感できる全天周3D映像制作のノウハウは、没入感ある美しい映像コンテンツの基礎研究への応用も期待されています。
人間の目に当てはまる「立体視」のメカニズムを用いています。
私たちの目が5cm離れているとすると、左右の視差を脳が瞬時に計算して、100cm離れたところにあるものを立体で見ることができます。
これを応用して、約5km離れた2地点から、約100kmの高度で発光している同じオーロラを見上げると、立体視ができるという原理のもとに観測を行いました。
観測を行った米アラスカ州フェアバンクスにある「Science Operation Center」。Poker Flat Research Rangeの敷地内の山の頂上にあります。
ドーム内にカメラを設置して観測します。
反対側の山にあるスキー場から「Science Operation Center」を撮影。
観測隊の栄養補給基地「チャタニカロッジ」にて。メタボな番犬ビーグルくん。